【2024.11.14】
「多嚢胞性卵巣症候群」に漢方療法

多嚢胞性卵巣症候群(以下 PCOS:たのうほうらんそうしょうこうぐん)にお悩みの方では、妊娠したくてもなかなかできない状況にいる方が多いのが現状です。
PCOSは、小さな卵胞がたくさんできていて、なかなか大きく発育せずに排卵に時間がかかったり、排卵ができないことがあります。超音波検査でみると、小さな卵胞がつながって残っている様子が確認されることから「ネックレスサイン」と言われて、PCOSの状態だと判断できます☝️ただPCOSの診断確定は難しいそうで、AMHやその他確認しなければいけないです。なので、PCOSかもとレディースクリニックで言われている方は結構います!
PCOSでは月経異常になりやすく、無月経、無排卵周期症、稀発月経といった状態に悩まされることが多いかです。卵胞が育ちにくく、排卵がなかなかできないという具合です。

多嚢胞卵巣症候群の治療
不妊治療では、排卵を起こしやすくするお薬などもあり使用しますが、それでもあまり効果ない方も多く、特に体外受精での採卵ができなくて困っている人が相談に来るケースが多いです。
不妊治療をしたくても、採卵ができなければ「精子とかけ合わせて培養し子宮に戻す(移植する)」というステップに進めません。
多嚢胞卵巣症候群(PCOS)の西洋医学の治療
・排卵誘発剤
・副腎皮質ホルモン剤(ステロイド)
・糖代謝改善薬
・高プロラクチン血症
・外科的治療
それに合わせて「食生活習慣の改善」が重要になってきます。
上記でなかなか良くならない場合、排卵しないというショック、治療薬を使ってもいい結果にならないと余計にあせりは強くなり、不安も大きくなります。不安な状態が長引くと、睡眠の質が低下したり、情緒が安定せずに自律神経が乱れてきます。

女性ホルモンの伝達
女性ホルモン(女性も男性も)は脳の下垂体からの指令のもと、卵巣に伝達し、卵巣から卵胞を育てるエストロゲン(卵胞ホルモン)がタイミングよくでてくれます。また排卵から、プロゲステロン(黄体ホルモン)が優位になるバランスに調整するのも脳の下垂体の適切な指令のおかげです。

自律神経が乱れる状態になると、余計に女性ホルモンは乱れやすく、悪循環となってしまいます。この状態になってしまっている方はホルモンバランスが整いにくいです。そのような方ほど、体への負担も少ない漢方や鍼灸が効果的なんです☝️
体質改善として治療と合わせることも問題ありませんし、体質改善がスムーズにいくことは治療にも相乗効果が期待できます。

PCOSの方では治療だけでなく、ドクターからも食生活習慣の改善が求められることが多いです。卵子&卵胞の発育自体は最終的には自力にかかっているからです。卵胞の発育&排卵をしやすくするためにホルモン剤を、過度なホルモンを抑制したりすることはできますが、卵胞の発育し卵子への栄養をしっかりと与える状態に持っていくには、自力を高めることはできないからです。
「肥満症」や「浮腫体質」は要注意
PCOSになりやすい状態は、水と脂質が溜まって代謝異常である「痰濁(たんだく)」+血流の悪い状態「 瘀血(おけつ)」との影響が大きくみられます。
体内の老廃物をしっかりと流してキレイにして、血流を良くすることがポイントです☝️

補腎薬の活用
漢方の考え方ではありますが、五臓の腎(じん)は発育・成長・生殖といった源であると考えます。その腎を補い高める漢方薬があります。PCOSの方では体質に合った腎を補う「補腎薬(ほじんやく)」が必要不可欠です。

ホルモンバランスが乱れやすい
多嚢胞卵巣症候群と診断されたり、多嚢胞の可能性と言われている方では、ホルモンバランスがそもそも乱れやすい、または乱れている状態です。
治療をしてもなかなか上手くいかない場合は、漢方や鍼灸も試してみることをおすすめします!
漢方は整える、補うといったことが得意なので、食生活習慣を正す意味でも「漢方療法」はお役に立ちます。

