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【2024.1.24】

不要なものを抱えがち『痰湿タイプ』は脂肪も溜め込む

 痰湿タイプのお話の前に、漢方では体質を知るためにどのようなタイプに当てはまるかを考えます。その中のひとつに痰湿というタイプがあります。そのタイプに偏っている場合に、脂肪を溜め込んだり、むくみである体に不必要な水分を溜め込んでしまいます。

体質(タイプ)にはどういったものがあるのかまずは紹介します☝️

【気虚(ききょ)】

元気不足タイプ:気力がもたない、持久力がない

【血虚(けっきょ)】

良質な血液不足タイプ:めまいや立ちくらみ、爪がもろい、経血量が少ない

【気滞(きたい)】

気が滞ったタイプ:心配性やため息をよくつく、イライラしやすい

【陽虚(ようきょ)】

温める力不足のタイプ:冷え性や低体温になりやすい

【瘀血(おけつ)】

血巡りがが滞ったタイプ:シミが多い、唇の色が暗い、動悸や不整脈、生理痛

【陰虚(いんきょ)】

水分不足タイプ:潤い不足の乾燥、ドライアイ、ほてりやすい

【痰湿(たんしつ)】

溜め込みタイプ:頭や体が重い、むくみ、肥満(水太り)、軟便や下痢をしやすい

上記のようにうに分けていきますが、体質のタイプはひとつのみでなく、いくつか重なっていくことが多いです。その中で一番強くでているものをポイントに、根本的な要因を考察して体質改善を試みていきます。

甘いものや 脂っこいもの、水分の取りすぎが主な原因のひとつです。

また元々胃腸が弱 い体質では食べ過ぎなくてもなることもあります、痰湿タイプの体質改善では基本胃腸ケアが重要です。胃腸の弱い人は少しの無理でも消化器系が疲れてしまい溜め込みやすくなってしまいます。

漢方薬でのケアもできるのですが、日々の食事や間食次第ではイタチごっこで効果が出てもすぐに戻りやすいのもあります。食事の仕方や適度な運動や睡眠は大事です、その点からの対策もお伝えします。

暴飲暴食になりやすい、12月~1月はまさに 痰湿を作りやすい時です。体の中で余ったエネ ルギー源が脂肪細胞に変わるまで48時間ほどで脂肪が大きくなり、体脂肪になるまでに約2週間かかります。暴飲暴食した後は2日間内に食事を軽めにしたり、1食は酵素ドリンクに置き換 えたり、運動できると溜めこまずに済みます。

冷たい飲食は胃腸の働きを低下させる

痰湿タイプにとって、冷たい飲食は良くありません。冷え冷えのドリンクは控えめに、飲み物によっては冷たいのが美味しい炭酸やビールがあります。温めて飲めるお茶やコーヒーはいいですが、その点は取り過ぎ注意です。そして体に良いとされるサラダ(生野菜)も痰湿タイプや胃腸の弱い人には要注意、栄養は申し分ありませんが、カラダも冷えますし、含んでいる水分量も多いです。食べるなら温かい味噌汁や生姜紅茶などを合わせるといいでしょう。ですが本当は温野菜(煮る、蒸す)ベスト。後は時間帯です、サラダは太陽が昇っている日中に食べて、朝や夕は温野菜がいいですね。

水やお茶やコーヒーは温かいものを飲む

・ビールや炭酸飲料は基本冷えているので控えめに

・サラダ(生野菜)は温野菜に変える、食べる場合は温める味噌汁や生姜紅茶などと。朝夕は冷えるので、暖かくなってくる日中に食べる

・冷たい飲み物は喉ごしがいいので、ペットボトルなどで飲むと飲み過ぎます。小さめのコップなどに移してすするように飲むと、飲み過ぎを防げます。コップは大きいものに入れると、自然とのたくさん飲んでしまいやすいです

どんな食材がおすすめ?

食材にも解毒や利尿・排泄作用を高めるものがあります。溜め込んだものを排出していくためにいい食材、そして胃腸の働きを良くしてくれる食材がおすすめです。解毒や排出する食材は少し冷やすものが多いので、胃腸を冷やさないように薬味を効かすことも大事です。

《痰湿におすすめの薬味》

・ショウガ

・紫蘇 

・ネギ

・唐辛子

・胡椒(こしょう) 

・花椒(かしょう) 

・わさび

注意①:胃腸の弱い人で食べてみて刺激がキツイ人は無理しないでください、特に唐辛子は胃腸虚弱にはすすめません

注意②:イライラしてキレやすくなっている、ほてりが強くぼーっとする人は薬味の使用は症状を悪化せる場合があります。そのような時は、酢(酢の物、ポン酢)やハチミツ、薄荷(ハッカ)=ミント(ハーブティ+ハチミツも👍)を活用しましょう

《痰湿におすすめの食材》

玄米、はと麦、もやし、緑豆、昆布、わかめ、ひじき、海苔、キノコ、里芋、カボチャ、大根、カブ、胡瓜、水菜、春菊、キャベツ、あさり、しじみ、 イワシ、サンマ、サバ、アジ、バナナ、栗、そば、など

《元々胃腸が弱く痰湿タイプに+おすすめの食材》

鶏肉(スープやお粥に入れるのも👍例えばチキンスープ、参鶏湯など)、山芋、卵、キビ、アワ、豆腐など

注意:痰湿には「玄米」はとてもいいのですが、胃腸が弱い人では玄米が重くあたることもあります。無理せず、キビやアワをお米と一緒に炊いて食すと胃腸の働きも良くなります。

温め作用と燥湿化痰(痰と余分な水分を除く)作用のあるお茶

日々の水分補給で悩まないために、温かいものや常温のものを飲むようにしましょう。白湯もいいですね、緑茶は少し冷ます作用があるので、お腹の弱いかたや冷え性の方は控えめにした方がいいです。一番のおすすめは中国茶の黒茶(こくちゃ)です、「プーアル茶」や「金花黒茶」がおすすめです。

黒茶:「プーアル茶」「金花黒茶」

また黄茶(ホアンチャ)もいいですが、日本ではあまり馴染みがなくどこでも買うことができません。一番流通しているなかで紅茶もいいですね、ショウガを足すともっといいです。最近では生姜紅茶の商品が販売されています、但し、紅茶の場合にはカフェインが入っていますので苦手な方や夕方以降はおすすめしません。

  • 黒茶がおすすめ「プーアル茶」「金花黒茶」
  • 紅茶や生姜をトッピングした生姜紅茶
  • 専門店にしかないが「黄茶(ホアンチャ)」

適度な運動や散歩

運動して、汗をかくことで無駄な水分の消費。そして余ったままだと脂肪に変わるエネルギー成分を消費できます。そして何より、散歩でもいいので動くことは血の巡り、水の巡り(血液以外の水分、リンパ液など)をよくしますので、滞りをなくし溜め込みにくくなります。日頃から運動までも行かなくても歩くことは重要です、今は皆さん、スマホ持っていますから1日何歩ぐらい歩いているかチェックしてみてください。一日5千歩ほどは最低動いた方がいいですね。仕事での動きと、ゆったり緊張をほぐしながら散歩したり、カラダ全身を使った運動では全身への巡らす効果は違います。

・1日5千歩は歩こう、理想は8千〜1万歩

・エスカレーターやエレベーターより、階段を使いましょう

・動くことで、血巡り、水の巡りが良くなります

・血流が良くなると、カラダの隅々へ栄養・酸素・ホルモン・体温を届けることができ、老廃物も回収しやすくなります

※散歩や運動は多少時間は取られますが、得られるものはとても大きいです。しかもほとんどお金はかかりません、シューズは自分にちゃんと合ったものを履いてくださいね。散歩、しっかりめのウォーキング、ガッツリ運動するなどによっても合うものは違いますので、靴屋さんやスポーツショップでご相談ください。

睡眠不足は浮腫む

睡眠不足や睡眠の質が悪いと、新陳代謝は低下しますし、老廃物が溜まりやすくなります。睡眠不足だと顔や目がすっごいむくみませんか?それは一過性の痰湿で少しケアしたりしっかり休めば取れますが、慢性化してしまうとなかなか取れなくなってしまいむくみが水太りになって肥満にも繋がります。眠るのが難しい時代でもあります、睡眠の質を謳う商品はすごいいっぱいありますね。それだけ現代は睡眠の質に悩まされています、今回は痰湿の話ですが、睡眠の質は自律神経といった神経系にも影響大ですから要注意です。

痰湿と漢方薬

痰湿タイプの漢方薬も様々な種類があります、一過性のものや、慢性的なもの、重度なものなどに合わせて漢方薬の選定も変わっていきます。代表的に使うものとして燥湿化痰(痰と余分な水分を除く)ができるものになります。また痰湿の中でも「冷えタイプ」「熱タイプ」がありますので、その点もポイントですね!特に熱タイプは「自律神経の乱れ」や「不眠」につながりやすいので、早めにケアしていくことです。

代表的なものとして

・冷え、むくみ、肥満症などがある場合→「防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)」など

・胃腸が弱く消化不良も起こしやし場合→「健胃顆粒(けんいかりゅう)」など

・胃腸の調子も悪い、不眠や神経質になっていたりする場合→「温胆湯(うんたんとう)」など

上記のように、痰湿の中でもでる症状やお悩みによって漢方薬も異なります。あなたに合ったものを見つけてお役に立てて欲しいです、漢方薬が初めての方は一度専門の方にご相談した方がいいと思います。合わなかったら効きませんので、時間とお金の無駄です。

脾は生痰の源、肺は貯痰の器《鼻が悪い人は注目》

胃腸の機能が弱っていたり、消化の悪いものや食べ過ぎ飲み過ぎになると脾(消化器)の機能が低下します。そのため痰(ネバネバしたもの)や湿(サラサラしたもの)が停滞しやすくなるのですが、それを貯めていく器が呼吸器系と言われています。痰や鼻水や後鼻漏はその結果です、よく後鼻漏で痰を出しやすくするお薬を飲んで一時楽になるのですが再発します。それは脾(消化器)のケアをしていないので、何度も繰り返しやすくなんです。根本や脾(消化器)をケアすることと、暴飲暴食といった無理をさせないことです☝️